水谷隼 『卓球王水谷隼 終わりなき戦略』感想・レビュー

レビュー
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東京2020大会でも大活躍された卓球男子の水谷隼選手の2020年8月に出版された著書を読みました。
もともと『東京2020大会に出場選手が書いた本』を探していたとき、この本が候補に挙がっていたのですが、入手状況の関係で今になりました。

『卓球王水谷隼 終わりなき戦略』はこんな人におススメ

『卓球王水谷隼 終わりなき戦略』はこんな人におススメ

✔ 卓球経験者・卓球ファンの方

✔ 高い目標に向かってがんばっている方

著者

水谷隼さん。プロ卓球選手。
1989年6月 静岡県磐田市生まれ。
本書は3冊目の著書。

おすすめポイント

卓球の専門知識や戦略に裏付けられた理論で語られている

スポーツ選手が書いている本は多数ありますが、その中でも著者の本はかなり細かい戦略やルール、用具やメンタルのことが書かれています。
そのため卓球ファンだけでなく、現役の卓球選手でもかなり読み応えのある一冊に。

通常スポーツ選手の書いた本というと、競技・技術のこと、メンタルのことには触れていても、細かいルールのことや戦略、用具のことまで書かれていることは非常に少ないです。
読んでいると著者の卓球競技へ敬意を感じますし、卓球競技の奥深さも知ることが出来ます。

また同じ卓球の世界で頑張る選手たちのことも、長所・短所、これから伸ばすといいところを冷静に分析。
これから伸びる選手の予想は外したことがないと断言されるのも納得が出来ます。

「勝つこと・強くなること」への分析力と行動が参考になる

著者はひたすら「勝つこと」「強くなること」を目的とした行動をし、目的を達成するためにどうしたらいいかをひたすら分析しています。
「成功体験にこだわりすぎない」「締め付けるような緊張感の作り方」「初対戦の相手に対する勝ち方」など、卓球選手・スポーツ選手にとどまらずビジネスマンにも役立つ内容が満載です。

印象に残った箇所はたくさんありますが、特に印象に残ったのは負けからの発見や得たものに関する記述。
後輩選手に負けたことにより、「世代交代」「水谷は終わった」と言われてから、著者はプロコーチと契約をし、海外リーグに参戦。
その後再度全日本選手権で優勝します。


このときのことを著者は

負けて失うものもあれば、負けて大きく得るものもある。その境目は、負けた時にどれだけ悔しがり、どれだけ自分を変えることができるかにかかっている。

「第8章 負けてわかったことがある」より引用

と記しています。
負けを「失敗」や「ミス」ととらえるならば、私たちの生活でも想像がつきやすいのではないでしょうか。

気になるポイント

内容がいささか専門的すぎるか

おすすめポイント1つ目の内容の裏返しになりますが、専門用語や戦略的な内容が多く、私のように卓球をあまり知らない人間には「知らない分野の専門書を読んでいる」ような感覚になりました。
著者としては卓球の面白さを広めたいという希望もあるようですが、それは難しい内容を平易に伝えることも必要なのでは?と思います。

ただこのような文体の強さが著者の持ち味でもあり、魅力だといえます。
なのでこのまま突っ走ってほしい気持ちも否定できません。

まとめ

『卓球王水谷隼 終わりなき戦略』はこんな人におススメ

✔ 卓球経験者・卓球ファンの方

✔ 高い目標に向かってがんばっている方

興味のある方はぜひご一読を!

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