華やかなプロ野球の世界。
高額な契約金や年俸、高級車、広大な敷地に大きな家、確かに夢があります。
ドラフト、トレード、FA、引退などオフシーズンも様々な話題で連日メディアに話題を提供。
その一方で静かにその野球人生を閉じる選手も少なからずいます。
本書はそのような選手たちにスポットを当てた一冊です。
この本を手に取ったきっかけ
私が元々プロ野球が好きなことに加えて、本書ではかつてかなり活躍された選手も取り上げられていたことが手に取ったきっかけに。
プロ野球選手だったから野球の仕事が出来るというのは本当にごく一部ということは以前から知識としては知っていました。
ただ実際に「通告」された選手がどのような心境に陥り、どのように次の道を見つけていくのかに興味を持ちました。
『俺たちの「戦力外通告」』はこんな人におすすめ
『俺たちの「戦力外通告」』はこんな人におすすめ
✔ プロ野球ファンの人
✔ キャリア・仕事について悩んでいる人
著者
高森勇旗さん。元プロ野球選手。現在はスポーツライター、野球解説者として活躍。
2012年シーズンまで横浜DeNAベイスターズに在籍。
自身の戦力外通告に関する出来事や心の動きも本書に記載されています。
おすすめポイント
今グラウンドに立つ推しを推そうと思える
プロ野球は1球団あたり、70人の支配下選手を持つことが出来ます。
毎年ドラフトでその年の新入団選手を獲得するのですが、例えばドラフトで7人選手を獲得するのであれば、少なくとも支配下選手を63人にする必要が生じるのです。
(実際は外国人選手を獲得したり、引退選手がいたり、シーズン中の諸々の事情などで63人よりは少ないのが通常です)
70人に入るだけでもものすごいことです。
しかしこの70人の中できっと皆さんが目にするような引退試合やセレモニーを行っている選手は本当に一握り。
それを改めて痛感させられました。
本書でも取り上げられていますが、戦力外通告を受ける選手の中にはそのチームで長年貢献しているような選手もいます。
その場合引退を選択するなら引退試合を用意されていることが多いです。(中には球団職員やコーチなどの職も用意されていることも)
しかし現役続行を希望する場合はその球団を退団することになるので、引退試合やセレモニーなどはありません。
それでも次に契約出来る球団がある場合はいいですが、そうでない選手ももちろんいるわけで。
そんなことを考えると、今現役で頑張っている選手は今応援しよう!という気持ちにさせられました。
いわゆる「推しは推せるうちに推せ」というやつです。
ちょっとくらい打ち込まれようが、エラーしようが、凡退が続こうが、今グラウンドで頑張ることが出来ること自体がと尊いと思えてしまいます。
キャリアを考えるきっかけになる
プロ野球選手のセカンドキャリアの選択肢は意外と多種多様と本書から感じました。
野球に携わる者、全く野球とは関連しない仕事に進む者。
球団職員やチームスタッフはすぐに思い浮かべることが出来るが、それ以外の仕事をしている人も想像しているよりもずっと多い。
NPB以外の独立リーグに携わる、指導者になる、一般企業に就職する、起業する。
最初はその姿を見て大変そうだなと感じたのだが、よくよく考えて本当にそうだろうかと思い至りました。
元プロ野球選手だというだけで大変ということはないのではないでしょうか。
きっと何か仕事を選択するのに行動する力だったり、上手くいかないときの処し方だったり、それはみんな同じ。
それにプロ野球選手という職業は早くて20代遅くとも40代半ばには終わりが来ますが、終わりが来ない職業の方が稀。
会社員も定年が廃止されている企業の方が今はまだずっと少ない。
そう考えると、プロ野球選手を含めたスポーツ選手が引退後の道を選ぶ時の姿は決して彼らだけが特別ということではないと思いました。
意地やプライドからだけでなく、自分と真っ向から向き合い生き方を考えること。
そして、自分の人生の時間を使って何をなしていくのか、行動に移せる人がキャリアを築いていける。
それはプロ野球選手以外でも同じではないかと改めて本書から感じました。
まとめ
『俺たちの「戦力外通告」』はこんな人におすすめ
✔ プロ野球ファンの人
✔ キャリア・仕事について悩んでいる人
いかがでしたでしょうか。
お気になられた方はぜひご一読くださいね。
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