この本は人気アナウンサーの安住紳一郎さんとメディアにも多数出ておられる明治大学文学部教授の齋藤孝教授が、明治大学の学生の前での対談を収録されたものです。
安住さんと齋藤教授が教え子と先生の関係だったとはこの本を読むまで存じ上げませんでした。
そして安住さんが教員を目指していたことも知りませんでした。
本書では声の出し方や話し方、言葉遣い、段違いのインプット量、仕事に対する考え方など、余すところなく語っています。
『話すチカラ』はこんな人にお勧め
✔ 話すのが苦手だと感じている方
✔ 書くことで表現をしたい方
✔ 日本語を話す全ての方
著者
安住紳一郎さん
ご存じTBSの看板アナウンサーです。
1973年北海道帯広市出身。
「好きな男性アナウンサーランキング」ではいち早く殿堂入りするほど、人気・実力を兼ね備えたアナウンサーのお一人です。
私を含めなぜフリーにならないんだろうという疑問をお持ちの方もおられると思いますが、ご本人は局アナでいることに強いこだわりをお持ちのようです。
押しも押されもしない売れっ子であるにも関わらず嫌味がないのは、きっとバラエティー番組で素の部分が垣間見えるからかなと思います。
齋藤孝さん
1960年静岡県生まれ。
現在は明治大学文学部教授として、教壇に立っておられます。
専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。
著書も多数出されており、メディアにも登場されています。
お勧めポイント
言葉のプロの言葉の使い方が学べる
お二人は言葉のプロです。
アナウンサーと学者の違いはありますが、言葉にこだわり、日本語をすごく愛しています。
あまりにわかりやすいのでさらさらと読んでしまっていました。
アナウンサーのように話す訓練をする人でなくても、日本語を追求する学者でなくても、日本語を毎日使う私たちにとって必要なことが書かれています。
例えば「語尾に曖昧な言葉を使わない」
「~ですね」のように語尾に「ね」を付けることがあります。
この「ね」とても便利で、特に相手方の同意を求めるときは、つけたくなります。
(「〇〇ですよね」の使い方です)
そうすると、これがくせになりがちです。
使い勝手がいいし、柔らかく聞こえますが、多様しないように使い方に気を付けないといけません。
また同じように「〇〇と思います」もくせになりがちです。
「思っている」のは発信している人で、聞いている人からは「あなたの思いじゃなくて、事実を言ってよ」とも思われかねません。
もちろん、感想を言うシーンならいいのです。
しかし仕事で事実を報告する場面では発信者の感想は不要になります。
その他お二人のご指摘はまさにそうだ、と納得するものばかりです。
この本を読んでいま私は話し方(書き方)を気を付けるようにしています。
インプットは手段であって目的ではない
「他人の3倍のインプットを心がける」の項に安住さんは毎日同時に8台のテレビをつけてみていたこと、齋藤さんは大学生のときに本棚を1年に1本ずつ増やす目標を立てておられたことがあげられています。
そしてお二人とも「インプットは目的ではない」「インプットをしたら必ずアウトプットを」とおっしゃってます。
これは仕事でも勉強でも、もしくは趣味などでもいえることです。
例えば本を読む。
読みっぱなしではなくて、人に話したり、感想を書いたり(このブログはまさにそうです)することで、さらにインプットが定着します。
また話してみることで自分の中で理解出来ているところ、意外とあいまいになっているところがよくわかります。
まとめ
おすすめしたいところがありすぎて、ほんの一部だけになってしまいました。
お勧めポイント以外にも日本語に関すること、話し方、インタビュー論、仕事論などが散りばめられています。
また特別話す・書くことに特化しなくても、日常生活の言葉遣いにもよい影響が出ること間違いなしです。
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